星組ファンにとって、極美慎の組替えはかなり大きな出来事だった。
長身。
圧倒的なビジュアル。
どこにいても目につくスター性。
極美慎は、長く星組の若手スター戦線を象徴する存在の一人だった。
だから極美が花組へ移った後、
「星組のスター層は薄くならないのか」
と感じたファンがいたとしても不思議ではない。
確かに、一人のスターが抜ければ景色は変わる。
しかし現在の星組を見てみると、単純に「穴が空いた」という状態ではないように思う。
まず暁千星がトップスターになった。
そして瑠風輝が加わった。
さらに天飛華音がいる。
稀惺かずとがいる。
大希颯も新人公演主演を経験し、2026年『恋する天動説』では新人公演の主役アレックスを務めている。
つまり極美が抜けたことで、むしろ次のスターたちが見えやすくなったとも言える。
宝塚の組は、常にこれを繰り返している。
誰かが退団する。
誰かが組替えする。
すると「この人がいなくなったらどうするの?」と思う。
ところが半年、一年経つと、別のスターがその場所で輝き始める。
同じ人の代わりにはならない。
だからこそ面白い。
極美慎のようなスターを「第二の極美」で埋める必要はない。
天飛華音は天飛華音。
稀惺かずとは稀惺かずと。
大希颯は大希颯。
それぞれ違う魅力を伸ばせばいい。
むしろ一つポジションが空いたことで、若手が前へ出る余地が生まれた。
極美慎がいなくなった星組は、確かに以前とは違う。
しかし「弱くなった」と決めつけるには早い。
人が抜けた瞬間から、次の組が作られ始める。
現在の星組は、まさにその過程にいるのではないだろうか。
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